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運航乗務員は何人?

運航乗務員、一般的には「パイロット」呼ばれていますが(余談ですが、語源は「水先案内人」のパイロットで、航空用語は船舶用語から来ているものが多いです。事実、「機長」の英訳の「キャプテン」は「船長」からきています)、は一機に何人乗っているのでしょうか。最近の旅客機の場合は基本的に2人で、「機長」と「副操縦士」です(業界用語でそれぞれ「キャプテン」と「コパイ(コーパイ)」と呼ばれています)。少々古い機材の場合はこの他に「航空機関士」が乗務していましたが、現在はコンピュータが通常は監視し、異常があると二人の操縦士に報告するという形で、航空機関士は乗務しないという機種が通常になってきています。なお、長距離便などで交代要員を含める場合は3人編成(マルチ編成と呼び、機長2人と副操縦士1人−操縦席に座る2人のうち少なくとも1人は機長でなければならないため、機長1人と副操縦士2人という編成はできません)やダブル編成(機長・副操縦士とも二人ずつ)となります。この場合、複数いる機長のうち最終的に責任を取る機長をPIC(Pilot In Command−責任機長)として定めます。ちなみに「機長」と「副操縦士」が全く違う人種というわけではなく、要するに「医師」と「インターン」の関係といったらいいのでいいのではないかと思います(それに関しては後ほど説明します)。

運航乗務員が持つ資格

自動車を運転するのに運転免許を取らなければならないのと同様、彼らも各種の免許を持っています。まず操縦免許ですが、彼らはバスの運転手と同様人を運んでそれ自体でお金をもらうわけですから、2種免許に当たる「事業用操縦士」免許を取る必要があります(ちなみに航空機の場合は貨物便などで、「物を運んでそれ自体でお金をもらう」場合でもこの免許が必要です。言い換えれば、「ヤマト運輸」や「佐川急便」などのドライバーであっても2種免許が必要ということになります)。なお、機長の場合は「事業用操縦士」の上級バージョンである「定期運送用操縦士」免許を取得する必要があります。あと、エンジンが2つ以上の航空機を操縦するために必要な「多発限定拡張」、及び雲の中など視界が無くても操縦できる 、「計器飛行証明」も当然必要です。そして実は、一定以上の大きさ(といっても一般の旅客機の場合は全て当てはまるのですが・・・)の航空機では機種ごとに免許を取らなければなりません。言い換えると、「日産シーマ」の免許があっても「トヨタクラウン」は運転できないということになります。

操縦免許以外にも、「航空無線通信士」という無線の免許も必要です(航空機は管制官と無線で通信しながら飛行するためです)や、身体的に問題が無いということを証明する「第一種航空身体検査証明」が必要です。おまけにそれらの免許は取ったら一生ものというわけではなく、操縦技術については1年ごとに国土交通省の試験官か会社の査察操縦士(委任された試験官のこと)による審査がありますし、身体的な面については機長は半年ごと、副操縦士は1年ごとにチェックされます。よって運航乗務員にとっては引退するまで常に気の抜けない生活を送ることになるわけです。

副操縦士と機長の違いについての考察

副操縦士と機長の違いとは何なのでしょうか?いずれも操縦や無線交信を担当する役職ですし、副操縦士になるための課程で操縦技術などは叩き込まれますし、万一急病で機長が操縦不能になっても、副操縦士一人で着陸できる技術は持っています。事実全日空ハイジャック機長刺殺事件においては、残った副操縦士が無事に羽田空港に着陸させました(たまたま乗り合わせていた機長はA320という別の機種の機長(ハイジャック機はB747-400)であり、資格的にはその飛行機を操縦できません)。

まずいえるのは副操縦士でいる間にいろいろな経験を積み重ねるためにあるのでしょう。機材故障についてはシミュレーターで訓練できますが、悪天候の経験や状況判断などはやはり、現場でその状況に接してみて初めて理解できることも多いはずです。そしてそれらを体験するために「副操縦士」という期間があると考えられます。また機長になるときの審査(審査については次項で書きます)では、「ただ操縦できるだけでなくその操作をした根拠」なども問われてくるのでしょう。ただ単に操縦できるだけでは副操縦士と同じです。だから「操作自体は正しいが、何を根拠にその操作をしたのか」であるとか、「この場合に取れる方法は?通りあり、もっとも適切なのはこのような理由からこの方法だ(他の方法はこの理由から不適当だ」ということがわかっていないとおそらく機長にはなれないでしょう。副操縦士の間は上司として機長がいました。しかし機長になってしまうと空中では上司はいなくなります。地上からの援助があっても最終的には機長である自分の決断で安全に地上に降ろさなければなりません。したがって副操縦士の間はある意味で厳しい修練の場ともいえるのです(機長も同様ですが)。

女性運航乗務員の制服はスカート?それともパンツ?

ちょっと余談になりますが、日本においては数は非常に少ないですが、女性運航乗務員もいます。とんでもない表題がついていますが、この問いは操縦席回りの状態が分かっていれば答えは簡単です。

操縦席は非常に狭い空間ですが、そもそも「席に座ったままでほぼ全てのスイッチに手が届く」ように設計するとあのようになります。正面には各種飛行計器、その上のひさしのような部分(グレアシールドと呼ぶ)には自動操縦装置の操作スイッチ、機長と副操縦士の間にはスラストレバー(エンジン推力操作レバー)やFMS(飛行管理装置)入力装置、無線スイッチなど、さらに頭上にもスイッチがたくさんあります。

では本題に行きましょう。操縦席の足元ですが、まず自動車でいうとアクセルペダルとクラッチペダルのような位置にラダーペダル(兼車輪ブレーキペダル)があり、乗務員はそれに両足を乗せています。さらにほとんどの旅客機の場合は、両足の間には床から操縦桿が出ています(中には例外もない訳ではありませんがそれは後述します。ちなみにヒントは、18・19・20・21・30・40・50・80です。また軽飛行機の場合は正面の計器パネルから出ていることが多いです)。操縦士は機首を下げる時は操縦桿を前に押し、機首を上げる時は後ろに引くことになります。ですので操縦桿の支柱が股の間に来ることになるため、やはり女性乗務員がスカートで乗務することは無理がありそうです。また、操縦席のシートベルトも4点式−腰と両肩(ショルダーハーネス)−の場合はいいのですが、5点式シートベルト(四点式に股下が追加される)ではスカートでは無理でしょう(まさかスカートをたくし上げてショーツ丸見えで席に座るわけには行かないでしょう。はしたない話ですみません)。

例外的にスカートで乗務できそうなのが足の間に操縦桿がないタイプの旅客機で、

  • エアバスのサイドスティック機(操縦桿の代わりに機長席の左側、副操縦士席の右側に出ているジョイスティックのようなもので操縦する機種)で、具体的にはA318・A319・A320・A321・A330・A340・A350・A380です。
  • ボンバルディアDHC-6ツインオッター(機長と副操縦士の間から操縦桿が出て二股に分かれる)

などがあります。