一都市複数空港の使い分け

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一都市複数空港の使い分け

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一都市複数の空港について

一つの都市に複数の空港があることがあります。おそらく新しく空港を作り、かつ以前からある空港を廃止せずに存続させたというパターンでしょう。確かに廃港にしてしまい、他の用途のために開発してしまうともう空港用の大規模な土地を得ることが難しくなることが考えられ、なかなか廃港の決断はしにくいでしょう。ただし旧空港が何らかの問題を抱えている場合は廃港にしてしまうことがあります。例えば、着陸直前に急カーブを強いていた香港の啓徳空港やジェット機が就航していながら滑走路が1600mしかなかった北九州空港などは廃港になりました。

また、「近くの都市の空港はどうするのか」という問題もあります。サンフランシスコとオークランド、ロサンゼルスとロングビーチ、マイアミとフォートローダーデール、ワシントンとボルチモア、上海と杭州などがあるでしょう。

一都市複数空港の使い分け

ひとつの都市が持つ複数の空港の使い分けについては、大体決まったパターンでこれらの空港が使い分けられています。

国際線専用空港と国内線専用空港

国際線専用(一部国際線-国内線乗り継ぎ用国内線を含む場合もあります)と国内線専用空港に別ける方法があります。東京(羽田空港と成田空港)、ソウル(金浦空港と仁川空港)などが挙げられます。このわけ方は、その空港で国際線同士を乗り継ぐ、地域住民が利用する場合はいいのですが、その国の地域住民以外の方が国内線と国際線を乗り継ぐ場合は空港間の地上移動を伴うというデメリットがあります(もっともその都市の規模が大きすぎて、混雑緩和のため意図的にその地域での乗り継ぎを抑制したい場合は効果的な分け方で、羽田-成田の別け方は結果的にはそのような考え方に沿うものになっています)。

国際線・国内線兼用空港と国内線専用空港

こちらの形態はかなり多いです。ワシントン(ダレス空港とナショナル空港・ボルチモア空港)などで、複数の空港で一つだけ国際線と国内線を両方運航し、他の空港では国内線だけを運航するパターンです。

複数空港で国際線・国内線両方を運航する

ロンドン(ヒースロー、ガトウィック、スタンテッド、ルートン、シティー)やニューヨーク(JFK、ニューアーク、ラガーディア)などです。
ロンドンではヒースローが主要国際空港ですが、ヒースロー発着もありながら、ガトウィック発着もあります。一方、ニューヨークの方はJFKが国際線兼国内線空港、ラガーディアが国内線空港ですが、ニューアーク空港をコンチネンタル航空がゲートウェイ空港としており、同社の便は国際線でもニューアーク発着になっています。

航空会社によって別ける

格安系キャリアなどは混雑している空港を避けて近隣の別の空港を利用する事もあります。ロサンゼルス(ロサンゼルス空港、ロングビーチ空港)、マイアミ(マイアミ空港、フォートローダデール空港)、フランクフルト(マイン空港、ハーン空港)などがあります。

東京について考える

空港は公共施設ではありますが騒音(軍用機ほどではありませんが)もありますし、万人に歓迎される施設とはいえないでしょう。そのためどうしても郊外や海上に建設地を求めることとなります。そのためどうしても近くの空港は狭く(=滑走路も短く、運用時間も24時間ではなく制限がある)、遠くの空港は滑走路本数も運用時間も有利ということになります。
しかし東京の場合は、近い方の羽田空港が最長の滑走路長が3000mと成田空港より少し短い(それでも最大離陸重量で離陸するには心もとないですが、旅客と手荷物のみ満載して運航するには十分な長さです)ものの複数滑走路を持ち(成田の2180mの滑走路では近距離便の発着及びジャンボ機など以外の着陸に限定され、本当の意味での複数滑走路とはいえないでしょう)、かつ24時間運用です。つまり近い方が便利な空港で、遠い方の空港が不便という、通常とは逆の状態になってしまっていて、このことがより問題を複雑にしています。
フランクフルトのように近いマイン空港(各社が乗り入れる)と遠いハーン空港(格安キャリアが乗り入れる)というようなケースがありますが、日本では全ての自動車が高速道路が有料であるということを忘れてはいけません。多少の航空料金の安さなどは高速料金で帳消しになってしまいますし、ここまで都心との距離が異なると航空会社で空港を別けるということも現実的ではありません。また、24時間空いている羽田空港の深夜枠を貨物便に割り当て、貨物専用便を成田から一掃するという考え方もありますが、一般の旅客便もベリースペース(乗客が乗っている下のスペースで、旅客手荷物以外には貨物が搭載されています)を使う貨物と貨物専用便の貨物が分散されてしまうこと、及び旅客とは違って自分自身で移動することができない貨物には設備投資も必要で、既に成田空港に拠点を作ってしまった会社がそう簡単に他空港に移るとは考えられないこと(航空会社のみならず貨物運送会社なども保税倉庫などの各種設備を投資しなければいけないため、後からより便利な空港ができましたといって拠点空港を移ることは難しいのです。この意味で空港ビジネスは先手必勝といえます)を考えると首都圏の空港政策は非常に難しいといえます。

一度は態度を決めたはずが・・・

ところで一度は態度を決めたはずが、その決定が変更されるケースが近年たびたび起こっています。深刻な騒音問題で訴訟沙汰にまでなり、新空港開港後は廃港のはずであった伊丹空港が存続したり(基本的に関西空港の低迷はこれが原因でしょう)、またタイのバンコクでも新空港であるスワンナプーム空港の開港後旧空港であるドンムアン空港は軍専用でしたが、国際線に接続しない国内線を就航させることとなりました。

ところで、日本・韓国・中国との間のシャトル便における使用空港についても疑問に思うところです。上海の2空港(虹橋空港と浦東空港)については分かりませんが、東京とソウルに関しては、国際線と接続国内線専用の成田及びに仁川空港と国内線専用の羽田及び金浦空港という分け方をしていたはずであったが、これで不明確となった(羽田空港は再国際線化へと進んでいるが、どの距離の路線まで就航させるかについては紆余曲折がありそうです)。当然、「うちも羽田(金浦)のほうがいい」といってくる航空会社が出てくるだろう。また、発着枠に余裕のない羽田空港の場合、乗り継ぎ目的の利用者がでてますます逼迫してしまうという事態が懸念される。ちなみに東京−ソウル間でシャトル便構想が出た時にてっきり私は「羽田と仁川空港の間に就航し、日本在住者を韓国経由で世界へ旅出させようとしているのだろう」と想像していた。それだけにソウル側の就航空港が金浦となったときには、「何を考えているんだ」というのが率直な印象でした。